閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)

二月大歌舞伎 夜の部 作:長谷川千四,文耕堂『三浦大助紅梅たづな』第三段より(1730) 出演:松本幸四郎,中村歌六,中村芝雀,坂東彦三郎 評価:☆☆☆★ - 時代物,義太夫狂言の定番作品.眠ってしまうかなと思ったけれど,案外楽しめた. リアリズム演劇で…

労働者M

作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 美術:中越司 音楽:伊藤ヨタロウ 照明:原田保 衣裳:前田文子 出演:堤真一,小泉今日子,犬山イヌコ,秋山菜津子,松尾スズキ,田中哲司,山崎一 劇場:渋谷 Bunkamuraシアターコクーン 評価:☆☆☆★ - 強烈な存在感を発…

井上ひさし伝

桐原良光(白水社,2001年) ISBN:4560049378 評価:☆☆☆☆★ - 著者は毎日新聞学芸部記者.評伝となれば例の離婚劇に言及しないわけにはいかないが,丁寧な文献参照と新聞記者らしい周到なインタビュー取材を行った筆者も,やはり離婚問題の核心についてはどう…

江戸の性風俗:笑いと情死とエロス

氏家幹人(講談社現代新書、1998年) 評価:☆☆☆★ - 著者は幕末の奉行、川路聖謨の日記に書かれた猥談をはじめ、武士や皇族の日記等の史料を広くあたり、江戸の性風俗の実像の提示を試みる。また徳冨蘆花などの近代の作家の性生活に関する記述を対照させるこ…

好子さん!

井上マス(扶桑社、1986年) 評価:☆☆☆☆★ - 著者は井上ひさしの実母。『好子さん!』というのは、井上ひさし前夫人の西舘好子氏のことである。これまた凄いタイトルである。離婚騒動の直後に出版された本。 20年以上も前にワイドショーやマスコミを騒がせた…

トワイライト

重松清(文春文庫、2005年) 評価:☆☆☆★ - 1970年代後半に東京郊外のニュータウンの小学校を卒業した同級生が、卒業式の際に埋めたタイプカプセルを掘り起こすために、何十年ぶりに再会する。 子ども時代というのはそれ自体が黄金時代なのだが、70年代後半は…

愛がなければ生きて行けない

西舘好子(海竜社、1987年) 評価:☆☆☆ - 他人の不幸は蜜の味とはよく言ったもので、先日読んだ西舘好子の『修羅の棲む家』が面白かったので、井上ひさし夫妻の20年前の離婚騒動ものを何冊か古本屋で見つけ購入してしまう。夫婦崩壊ものばかり喜んで読むなん…