2004-12-19 ターン 書籍 北村薫(新潮文庫,2000年) 評価:☆☆☆ - 「君」と呼びかける二人称の語りをうっとうしく感じた.そして時間に翻弄され「ターン」を無人の町で繰り返す描写も単調だった.このうざったい単調さはその繰り返しの時間と空間と現実の空間と時間との間が「電話」で結ばれることから変化していく.そして新たな人物の登場によって物語はクライマックスにむかい急速に緊張感を高めていく.幸福感あふれる結末.北村薫の描く女主人公の繊細でありながら芯が強くきまじめな人物像は魅力的.