- 製作年度:1951年
- 製作国:アメリカ
- 上映時間 122分
- 監督:エリア・カザン
- 原作:テネシー・ウィリアムズ
- 脚本:テネシー・ウィリアムズ
- 音楽:アレックス・ノース
- 出演:ヴィヴィアン・リー 、マーロン・ブランド 、キム・ハンター 、カール・マルデン 、ルディ・ボンド
- 評価:☆☆☆☆
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
『終着駅アメリカ』の予習の意味をこめて.フォルクスビューネの上演はパロディともいえる過激な改変によって著作権者からオリジナルタイトルの提示を認められなかったとのこと.となればオリジナルを知っておけばさらに楽しめるはず.テネシー・ウィリアムズのこの有名な作品は恥ずかしながら未読だった....
さてオリジナルと言っても今日見た映画版は当時の検閲によって劇場版の台本に大きな修正を加えることを強いられたとのこと.ラストシーンを中心に原作者の意図に反してだいぶ穏やかなトーンに改変されてしまったらしい.ただそれでもこのラストシーンは救いがない.
どうしようもない状況の人をさらに追い詰めるやるせないお話ではあるが,こうした「いじめ」の鑑賞はやりきれなさと同時にサディスティックな快感も与えてくれるような.
原作では主人公の姉は,義理の弟にレイプまでされて,徹底的になぶられてしまう.社会の下層階級であえぐポーランド系移民の欲求不満の捌け口になってしまうのだ.ここまでやると逆にいじめられるほうに「聖性」が付与される感じになってしまうが,こうした倒錯的感動の物語にはかすかな偽善の香りもたちのぼっているような気がする.