閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

初春大歌舞伎 夜の部

一、鶴寿千歳(かくじゅせんざい)
姥:芝翫、尉:富十郎、松:歌昇、竹:錦之助、梅:孝太郎
二、連獅子(れんじし)
狂言師右近後に親獅子の精:幸四郎狂言師左近後に仔獅子の精:染五郎、僧遍念:高麗蔵、僧蓮念:松江
三、歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)
  河東節十寸見会御連中
團十郎梅玉福助、孝太郎、錦之助歌昇段四郎東蔵左團次芝翫

いつものとおり三階B席からの観賞だが、今日は東二列だった。この位置は初めて。舞台上手1/4ほどは死角になって隠れてしまうが、花道が完全に見える。今日は「助六」が上演され、花道での芝居が多かっただけに、この位置で見ることができたのは嬉しかった。
最初の舞踊はぼう然と眺めているうちに終わってしまった。
「連獅子」はシンメトリックな構成と踊りの華やかさで退屈を感じない。
歌舞伎の定番演目中の定番、「助六」を見たのは今回が初めてだった。
荒唐無稽で歌舞伎の様式的魅力に満ちた装飾性を存分に堪能できる舞台だった。あの密度の乏しい内容の上演に二時間かけて、たっぷりとスペクタクルを楽しませるという趣向に歌舞伎の凄さを感じる。あのたらたらとした遅さは何だ。

三階東の席からは、一階の西桟敷の様子がよく見える。突出して派手な着物を着て、髪形をきんきらと整えた若い美女(驚異的レベルといってもいい)と和服姿の若い坊主男が楽しげに芝居見物している様子が目に付く。とても楽しそうであった。あの女性の美貌と派手ないでたちはある面、役者以上の注目を集めていたようにさえ思える。