閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

ブーリン家の姉妹

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ブーリン家の姉妹(2008) THE OTHER BOLEYN GIRL

ヘンリー八世の愛人および王妃となった二人の姉妹の話。歴史的事実をたくみに膨らませ、王および王権の不条理のなかで翻弄される姉妹の確執を細やかに描く秀作だった。
ヘンリー八世は、派手な女性遍歴と、強引な権力行使で悪名高いが、トマス・モアやエラスムスなどの人文主義者とも親交を持つ知的な面もあった。

また一般にはあまり知られていないかもしれないが、ヘンリー八世は優れた作曲家でもあった。18世紀オーケストラ指揮者のフランス・ブリュッヘンが、リコーダー奏者であったころ、ヘンリー8世の作曲した曲の録音を残しているが、いずれも素朴で愛らしい名曲ぞろいだ。彼の作曲した音楽と彼の人物像のギャップの大きさが面白い。趣味人としても一流のひとで、やはり女性にはすごく人気があったのだと思う。映画のなかでは、姉のアンのことを持ち出して、妹のメアリーの心を開く場面があったが、あの口説きの場面、いかにもプレイボーイらしくてやるなぁと思った。

僕が大学時代にリコーダーに熱中したのは、このアルバムを聞いたのがきっかけだった。ブリュッヘンのリコーダーのアルバムのなかでこのアルバムが一番好きかもしれない。
イギリス音楽はこの後、トマス・モーリー、ダウランド、ウィリアム・バード、トマス・タリス、ホルボーンなどの優れた作曲家がひしめきあう黄金時代を迎えることになる。


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