閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

2010億光年

劇団サスペンデッズ
サスペンデッズ

  • 作・演出:早船聡
  • 美術:袴田長武+鴉屋
  • 聡明:工藤雅弘
  • 音響:平井隆史
  • 衣裳:大野典子
  • 出演:佐藤銀平、伊藤総、佐野陽一、細越みち子、太田紘子、新田めぐみ、関寛之、尾浜義男、伊藤俊輔、白州本樹、高橋理恵子
  • 劇場:池袋 東京芸術劇場小ホール2
  • 評価:☆☆☆★
                                                        • -

老練さ(といっても作・演出家はまだ若いのだけれど)を感じさせる巧みな構成、人物設定と台詞。現在、過去、未来のエピソードが次第に関連しあっていく。ナンセンスで馬鹿ばかしいものであった劇中劇が、単なる幕間狂言から最後に物語全体を象徴するアフォリズムのように機能し、物語全体を集約する。主人公の夫の妻に対する不誠実さ、自分に対する甘さは許せないような気もしたが、われわれが日常的に抱えるやましさや後ろめたさが、行き届いた台詞、演技、演出が作り出す繊細なハーモニーによって、美しい表現を作り出す。高橋理恵子、やっぱり魅力的だ。