ピーチャム・カンパニー
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- 脚本:清末浩平
- 演出:川口典成
- 美術:杉山至+鴉屋
- 照明:須賀谷沙木子(colore)
- 音響:佐藤こうじ(Sugar Sound)
- 音楽:村上裕
- 衣裳:竹内陽子
- 出演:堂下勝気、八重柏泰士、岩崎雄大、平川直大、藤尾姦太郎、他
- 劇場:神楽坂 theatre iwato
- 上演時間:3時間
- 評価:☆☆☆★
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劇団初見。サーカス劇場と地上3mmという二つの劇団がくっついて昨年できた劇団らしい。これまで既に三公演行っていてそれがブレヒトの『アルトゥロ・ウィの興隆』、ジョン・オズボーンの『怒りを込めてふりかえれ』、宮沢賢治『ビヂテリアン大祭』と非常に渋い。今回は創作戯曲の上演だが『三文オペラ』を参考にした作品とのこと。これはもしかすると私の好みかもしれないなと思いチケットを予約した。
舞台は日本の都市の片隅、場末っぽい雰囲気のスナックが舞台で、そこに集まるチンピラじみた常連客が主な登場人物。『三文オペラ』を参考に書いた作品だと言う。かなり暑苦しく泥臭い脚本、芝居だった。冒頭は「これから演劇がはじまります!」という高らかな宣言のあと、役者希望者をだまして様々な職場に派遣する詐欺まがいの俳優養成学校が出てきたので、メタ演劇的作品なのかなと思ったら、それは枠組みだけでお話本体のほうは町のアウトローたちの人情噺(?)みたいな物語だった。ちょっとベルナール=マリ・コルテスの『西埠頭』を連想させる雰囲気も。
残念ながら脚本も演技も私の好みのものではなかった。前半は作品をどうとらえていいのかわからずに戸惑った。でも3時間、苦痛だったかと言えばそうでもない。それなりに楽しみながら舞台を見ていた。椅子のクッションがふわふわだったのがよかった。
芝居自体は私の好みではなかったものの、theatre iwatoの道路沿いのシャッターを上げた借景は、作品の雰囲気とぴったりマッチしていて、大きな効果を上げていた。道路側がガラス張りになっているとはしらなかった。ときおりシャッターがあいて、舗道に面したガラスが現れ、そこから人が出入りする。通行人が興味深そうにこちらを覗き込んでいた。