- 上映時間:105分
- 初公開年月:1986/11/15
- 監督:新藤兼人
- 製作:今井正作
- 原作:新藤兼人
- 脚本:新藤兼人
- 撮影:三宅義行
- 美術:重田重盛
- 編集:近藤光雄
- 音楽:林光
- 助監督:松井稔
- 出演:小林桂樹、乙羽信子、財津一郎、山中一希、川道信介、園みどり、若葉しをり
- 評価:☆☆☆★
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新藤兼人の自伝的映画。少年時代の母の思い出を描く。没落し、貧しくなっていく一家のなかで、母親の力強い愛情が家族を支える。父の無能ぶり、存在感の薄さがが対比される。没落を呆然と見守るしかない父親の姿は不気味でもある。
子供に対する母の愛情表現の描写が濃い。風呂で子供のペニスに接吻する描写のインパクトが強烈だった。こういうぎょっとするような生々しい場面を入れるのがいかにも新藤兼人っぽい。このときの乙羽信子の表情に、母の子供に対する慈しみの情の深さが、ある種のエロティシズムとともにしっかりと表現されている。
初老の小林桂樹が自分の子供時代を回想するかたちになっていたが、小林桂樹の役柄はあまりうまく生かせていないように思った。