閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

ALWAYS 三丁目の夕日

http://www.always3.jp/index.html

平日レイトショーで客は10名ほど。至極快適な鑑賞環境。
昭和30年代の都市の貧しい風景は、昭和40年代前半生まれの僕でもノスタルジーを喚起されるが、当時実際に都市で生活していた人にとっては、この映画のCGで再現された映画の風景や、集団就職、テレビ、三種の神器等の時代を感じさせるエピソードは強烈に過去への郷愁を刺激するはずだ。
叙情的に美化された清く貧しい昭和三十年代の物語。
泣かせどころを心得た巧みな物語作りにしっかりと入り込んでしまい、涙腺ゆるみ放しの二時間強。映画的ファンタジーとはいえ、最後のハッピーエンドの持って行き方はちょっと作りすぎに感じられ、白けてしまったところもあるのだが。
堤真一がさわやかにうまい。小雪のいびつな表情も魅力的。そして子役の「ガキ」の演技が達者で芝居を壊さない。
ねらいがあざとすぎる感じもするが、よくできた作品であることは確か。

ちょうどこの映画の時代に田舎から都会に出てきた父と母のことを思い起こす。僕の両親も他の多くの都会に出てきた若者同様貧しく孤独だったに違いない。