閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

トゥインクル トゥインクル リトル フィッシュ&オーストリラリア祭

ウィンドミル・パフォーミング・アーツ公演(オーストラリア)

日生劇場の夏休み子供向け企画公演のひとつ.
黒い背景で,人形操作者は黒子に徹し,人形やオブジェだけに照明をあてるタイプの芝居.一貫した筋書はなく,『はらぺこあおむし』などエリック・カールのいくつかの絵本から自由に構成された内容の作品.最初にバケツから登場し,最後にそのバケツに入って退場していくピエロがときおり人形たちやオブジェの中に出現し,「進行役」をつとめる.
無言劇.始終流れる音楽のセンスは悪くないが,動きが平面的で,日生劇場の広い舞台をあまり有効に使えておらず,巨大な紙芝居を観ている感じ.人形操作のずれや照明の単調さと雑さなど,ディテイルに粗雑な処理がたびたびあるのが気になってしまう.観客を驚かせるような工夫の乏しい演出で,僕は退屈してしまった.しかし五歳の娘の反応はまずまず.
小学校中学年・高学年の子供のすがたもけっこうあったが,あの内容だとかなり物足りないのではないだろうか.
ひどくレベルの低いスペクタクルというわけではなかったけれど,わざわざオーストラリアから呼んで上演するほどのものでもないような気がした.