シアター・トライアングル
http://www.geocities.jp/tsubame1961/direct/triangle
- 構成・演出:くすのき燕
- 照明:渡部昌平
- 作曲:ユキ・アリマサ
- 大道具:益子淳
- 出演:小川耕筰(人形劇)、チカパン(パントマイム)、リン・ヘイテツ(ピアノ)
- 上演時間:1時間
- 劇場:東高円寺 セシオン杉並ホール
- 評価:☆☆☆☆☆
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児童青少年演劇祭典「ふれあいこどまつり」の企画の一つ。
http://www.jienkyo.or.jp/fes.html
人形を操作する人形劇ではなく、大小さまざまな大きさの三角形のオブジェを組み合わせ、それを何かに「見立て」表現するというスタイルの芝居で、このような形態の芝居はオブジェクト・シアターと呼ばれるらしい。背景は黒の素舞台。人間の背の高さより大きい三角形の立体から、手のひらほどの大きさのものまで、さまざまな色、形、大きさの三角形を使って四季を表現する。台詞らしい台詞はない。
シアター・トライアングルのこの演目は昨年読んだ人形劇の歴史の本(加藤暁子『日本の人形劇 1867-2007年』法政大学出版局、2007 年)で著者が絶賛していた作品である。この記述を読んで僕は機会があればぜひ観てみたいと思っていたので、「こどもまつり」の企画でこの公演を見つけたときは迷うことなくチケットを予約した。ユーモラスで詩的なイメージに満ちたとても面白い公演だった。
使う小道具(大道具)はすべて三角形で、ユニットの名前もシアター トライアングル、演者もとうぜん3名である。しかしこの3名の舞台上での属性は異なる。ピアニストとパントマイム、そして人形遣いからなるユニットなのだ。
まず音楽がとてもすばらしい。サティ、あるいはプーランクといった作曲家を連想させる洒脱な音楽。舞台中央の演技者と呼吸を合わせながら、作品の流れをコントロールし、表現のニュアンスを豊かなものにする。三角形のオブジェは魚、花、山、きのこ、家など様々なものに見立てられ、自在に変化していく様子も楽しい。パントマイムの芸も効果的に取り入れられ、笑い声の絶えない舞台だった。子供たちもよく反応していたように思う。三者の異なる属性がたぐいまれな調和を生み出した美しい舞台だった。