閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

L'Illusion comique 演劇的幻影

  • 原作:コルネイユ Corneille
  • 演出:Marion Bierry
  • 美術:Nicolas Sire
  • 衣装:Marion Bierry
  • 照明:Andre Diot
  • 出演:Arnaud Decarsin Vincent Heden Chrisitine Gagnieux Stephane Bierry, Bernard Ballet, Elisabeth Vitali
  • 劇場:Montparnasse Theatre de Poche
  • 上演時間:1時間45分
  • 評価:☆☆☆☆
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劇場は定員150名ほどの小さな劇場.舞台の間口も5メートルほど.観客の年齢層は年配の夫婦が目立つが,若い観客もいないではない.当日券での入場.劇場スタッフの対応は笑顔で感じがいい.
古典的な簡素な美術での上演.照明は暗め.書き割りで舞台額縁の部分に洞窟内であることを示す岩が描かれているだけ.衣装も17世紀風.息子の消息を知るために魔術師を訪ねるのが原作では父親だが,それが母親に変更されている以外は,テクストにも大きな改変は加えられていない感じ.現代的なナンセンスギャグがほどよい変化をもたらす.
原作のメタ演劇的構造が強調されている.Vinchent Hedenの優れた歌唱力を効果的に使用.奇抜さはないが,堅実な演技と演出で見せる充実した舞台だった.