- 製作年度:2004年
- 製作国:日本
- 上映時間:144分
- 監督:崔洋一
- 原作:梁石日
- 脚本:崔洋一 、鄭義信
- 音楽:岩代太郎
- 出演:ビートたけし 、鈴木京香 、新井浩文 、田畑智子 、オダギリジョー
- 場所:池袋シネマ・ロサ
- 評価:☆☆☆
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
細部にまで気を配ったよくできた作品であるように思う.美術は見事に戦後の大阪の朝鮮人部落の町並みを再現していた.ただ原作の強烈な印象に映像が追いついていない感じ.原作の金俊平の恐るべき破壊性,内面の空虚さ,恐怖,破天荒ぶりは,ビートたけしの熱演にもかかわらず,映画では物足りない.話の展開も原作にあるようなスピード感にかけていてもったりした感じ.破格な暴力男の一代記であると同時に,戦後の在日朝鮮人の闘争の叙事詩でもある壮大なスケールを原作は持っていたが,映画ではそのスケールは原作とは比べようもないほど小さくなってしまった.原作の金俊平のグロテスクな暴力性には不快感と同時に,理不尽にすげてを破壊しつくす爽快感も感じたのだ.わきあがるような空恐ろしい迫力はたけしの熱演を持っても十分には表現されていない.
原作を愛し,映画化にも非常に期待が大きかっただけに,不満が残る.
今村昌平がこの作品を映画化していたらどうなっただろうなぁ,などと考える.