千葉敦子(角川文庫,1988)
ISBN:4041716012
評価:☆☆☆
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篠田節子がエッセイ集のあとがきで言及していたので,何となく手に取る.著者は癌のため1987年に40代の若さで死んでいる.昨年僕自身が心筋梗塞で入院して以来,病死というのがやけに生々しく感じられるようになって,この手の「闘病エッセイ」は関心をひきつけられつつも読むのが嫌だという二律背反的状況.千葉のこのエッセイは闘病は必ずしもメインではなく,晩年のニューヨークでの生活についての記述が多かった.再度,再々度の癌再発というふつうの人間なら絶望的にならざるえないような事態に直面しつつも,常にポジティブに「生きる」ことを心がける著者の姿勢には驚嘆・共感した.