佐江衆一(新潮文庫,1999年)
評価:☆☆★
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
両親宅の本棚にこの本があることを読んでいる途中に思い出す.
小説『黄落』でもそうだったが,親の老醜ぶりに思わず心から親の死を願ってしまう心情のリアリティーを素朴に表現していることに共感を覚える.「死に時」の美意識はあっても,「死に時」は選べない.著者の「死」に対する簡素で率直な姿勢は,僕も倣いたいところ.
老人介護問題への個人の立場からのリアルな願望が誠実に記述されているように思った.