- 製作年度:1998年
- 製作国:アメリカ
- 上映時間:123分
- 監督:ジョン・マッデン
- 製作総指揮:ボブ・ワインスタイン 、ジュリー・ゴールドスタイン
- 脚本:マーク・ノーマン 、トム・ストッパード
- 音楽:スティーヴン・ウォーベック
- 出演:グウィネス・パルトロー 、ジョセフ・ファインズ 、ジェフリー・ラッシュ 、コリン・ファース 、ベン・アフレック
- 評価:☆☆☆
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DVDでの観賞.『ロミオとジュリエット』の創作過程を軸に,この悲恋物語の後側にあるシェイクスピアの恋愛体験についての自由な想像.非常によくできたプロット.よくでき過ぎていてご都合主義的に感じられる展開.
当時の劇場や舞台,役者,衣裳などのディテイルへのこだわりとストーリー展開や貴族,女王の性格付けの現代性のギャップに少々白ける.いわば時代小説的な世界,大河ドラマ的な再現なのだ.劇場などのビジュアル面でのリアリズムへのこだわりが執拗なだけに,人物造形の現代性に違和感を覚える.これが日本の時代小説や大河ドラマだと気にかからないのだ.そういった約束事をちゃんと受け入れる心構えが既にあるからだろうが.
この映画の場合,ビジュアル面のリアリズムへのこだわりが,表現の様式性の受容の障害になってしまったような気がする.
『ロミオとジュリエット』をはじめとするシェイクスピアの作品へのアリュージョンは巧みではあるけれど,その使い方があまりに「通俗的」解釈であることにもひっかかりを感じる.
個人的には人物造形なども当時の人間観・身分観をきっちりふまえた上で行い,そうした徹底した考証性の縛りの中で,想像力を解放するような作品を望む.シェイクスピアとなると自分の研究分野ともかなり近い位置にいるのでなおさらこうした点が気にかかるというのもあるだろうが.