- サゾン・スラザーコフ作
- ヘーラ・フレーブニコワ絵
- 松谷さやか訳
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モンゴル付近の牧畜民の生活を取材した素朴な物語.女の子と羊の赤ちゃんの交流が淡々と語られる.子羊が生まれ,しばらくの間少女と生活をともにする.子羊と少女の日常がほほえましく描かれる.子羊がある程度成長すると,子羊は少女と別れ羊の群れの中に戻される.この別れのシーンは実にあっさりと書かれている.最後のページは少女が人形と遊んでいるシーン.少女の顔は若干さびしげでもあるが,悲嘆にくれているわけではない.安らかな笑顔である.子羊もすぐに羊の群れにとけこんで飛び回っている.
原作者はアルタイ出身で,アルタイ地方の民俗を描いた作品を中心に発表しているとのこと.色鉛筆で描かれた絵はアルタイの日常の情感をよく伝えている.余韻の残るささやかな悲劇.4歳の娘の反応がとてもよかった作品.