- 上映時間：101分
- 製作国：アメリカ
- 初公開年月：2011/03/12
- 監督：ネイサン・グレノ、バイロン・ハワード
- 脚本：ダン・フォーゲルマン
- 作詞：グレン・スレイター
- 音楽：アラン・メンケン
- 声の出演（日本語吹替版）：中川翔子、畠中洋、剣幸、岡田誠
- 映画館：ユナイテッドシネマとしまえｎ
- 評価：☆☆☆☆
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グリム童話を下敷きにしているがかなり自由に翻案されている。オケによるBGMがずっと流れ、歌や踊りの場面が要所要所でもりこまれた古典的なディズニー・アニメの様式の作品だった。大枠となる物語はディズニー的おとぎ話の定型をふまえたハッピーエンドになっているが、モチーフに取り入れられた解釈には現代的な母子共依存関係の問題が投影されている。共依存から離脱し、主体的に生きるようとする若い女性の葛藤が、ラプンツェルというキャラクターを通して描き出される。溌剌としたラプンツェルのキャラクターは造形も可愛らしく、とても魅力的だった。作品のメッセージには共感できる。子供よりもむしろ親の観客に訴えかけるメッセージであるように思った。
３Ｄ上映だが３Ｄ独自の効果の使用はそれほど強調されていない。しかしいくつかの場面の美しさは圧巻だ。とりわけ空へ舞い上がる無数の「灯り」を湖上から互いに恋心をはっきりと意識したヒロインとヒーローの二人が見上げる場面は物語構成上でも映像上でもきわめて印象深いクライマックスを作り出していた。ラプンツェルが城内の都市に入り、町の人たちと輪舞を踊る場面も素晴らしい。家でＤＶＤで見るよりも映画館の大スクリーンでこそより大きな感動を味わうことができる魅力的な俯瞰図がいくつかあった。
