http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cocoon/lineup/shosai_07_hibari.html
- 作:ジャン・アヌイ Jean Anouilh
- 翻訳:岩切正一郎
- 演出:蜷川幸雄
- 美術:中越司
- 照明:原田保
- 衣裳:前田文子
- 音楽:池上知嘉子
- 出演:松たか子、益岡徹、橋本さとし、山崎一、小島聖
- 上演時間:3時間25分(休憩15分含む)
- 劇場:渋谷 Bunkamuraシアターコクーン
- 評価:☆☆☆★
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ジャンヌ・ダルクに付随するキリスト教の信仰の問題、フランスの民族意識の高揚といった主題を的確に芝居の流れの中でとらえ、消化することができず、しんどい観劇となってしまった。裁判劇であり、その裁判という枠組みの中でジャンヌの生涯が再現されるという二元的構造を持つ作品だった。前半部では劇中劇が中心で、神の啓示を受けた少女ジャンヌが、巧みな弁舌で武将や王をあざやかに丸め込んでしまう場面はまだ愉しんで見ることができたのだが、裁判のやりとりが中心となる後半部で展開を追うのがしんどくなってしまう。寝不足気味のこちらの体調の問題も大きかったのかもしれないが。
蜷川演出にしては、はっとさせるような仕掛けのあるスペクタクルは乏しかった。
ジャンヌ役の松たか子は大熱演であったが、いかにも手慣れた感情表現、定型的動作の洗煉がこの芝居ではうっとうしく感じられた。頼りなく揺れ動くフランス王シャルルを演じた山崎一のユーモラスな演技が印象に残る。