上映時間 112分
初公開年月 2007/02/24
監督: 山下敦弘
企画: 山上徹二郎
脚本: 山下敦弘,向井康介,佐藤久美子
撮影: 蔦井孝洋
美術: 愛甲悦子
衣装: 小林身和子
編集: 宮島竜治
音楽: パスカルズ
出演: 新井浩文,山中崇,川越美和,木村祐一,三浦友和,キムラ緑子,烏丸せつこ,安藤玉恵,西尾まり
- 劇場: 東武練馬 ワーナーマイカル板橋
- 評価: ☆☆☆☆★
笑いのない山下作品.バブル景気時代の狂騒的なエネルギーの負の部分がふきだまったような田舎町の倦怠を,山下独自の皮肉な視点でとらえ,人間のどうしようもなさを容赦なく描き出す傑作.よどんだ頽廃の中にありながらも安定していた田舎町のある家族の日常が,外界からの侵入者によってはげしくゆさぶられる.それをその場かぎりにごまかして何とか破滅を避けようとするうちに,負のエネルギーが蓄積されていって,というよくあるパターンの話なのだが,サスペンスの作り方が巧み.ある種の恐怖映画でもある.
ネズミとりのエピソードは若干とっててつけたような感じがして冗語的に感じられた.なくても問題なかったように思う.
鬱屈した日々を過ごす青年の屈折を演じさせたら日本一の俳優,新井浩文をはじめ,強烈な個性を持つ俳優たちが持ち味を発揮する.木村祐一はマジでコワい.川越美和と安藤玉恵はマジでアブナイ.