閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

天然コケッコー

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山下敦弘監督作品で、自分の母親の故郷である島根県浜田市でロケした映画ということで興味を持った作品。
全校生徒が6人という農村の分校に、東京からハンサムでニヒルな男の子が転校してくる。彼は主人公の女の子と同じ学年だった。日本の田園の美しい景色の四季を背景に、二人の間に生まれる不器用だが清廉な恋がはぐくまれていく様子を描く。
リンダリンダリンダ』の系統の正統的な青春映画。頼りなく、幼い恋に振り回される様子を、まっすぐに描き出している。男の子がいかにも男の子らしい意地悪さ、性格の悪さを維持しているのがよいところ。ハンサムで本当に見ていて不愉快なやつなのだ。
この男の子に恋する田舎の少女は、古典的な理想的少女像の願望が投影されたような存在だった。その純朴可憐さを具現した夏帆ちゃんの愛らしさは尋常じゃないレベルである。