演劇集団 円
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- 作・演出:宗英徳
- 美術:吉野章弘
- 照明:清水利恭
- 衣裳:原田大輔
- 出演:橋爪功、藤田宗久、岡本瑞恵、大竹周作、佐藤芳江、大野愛子、伊藤昌一
- 劇場:田原町 ステージ円
- 時間:2時間45分(休憩10分含む)
- 評価:☆☆☆
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二時間を超える長い話だが、16場に区切られた各場は一部台詞を重ねて、各場を連鎖させるなどの工夫をしてスムーズに連なっていくし、各場の台詞のやりとりもテンポがよいので長さはそれほど感じなかった。
いわゆる新劇風の台詞回しだが、特に前半は説明的で不自然な台詞が多くて、主役の橋爪功と女中役の岡本瑞恵以外の役者が演じる人物はみな作り物じみて見えた。台詞と演技スタイルの古臭さ、わざとらしさが鼻につく演出は僕の好みではなく、正直ある役者の登場シーンには気持ち悪ささえ感じることもあった。もっともこの嘘くさい人物造型も演出上、戯曲構成上の計算の上であえて行ったのかもしれない。
しぶとく知的な大悪人の葛藤をドラマとして描き出すには、その悪に対抗する人物がことごとく陳腐で類型的であるように思った。扱っているテーマの大きさのわりには厚みのない芝居になってしまった。橋爪功の奮闘ぶりばかりが浮き上がる。
最後の1/3の仕掛けは面白い。展開の急転が新たなパースペクティブを提供し、作品の奥行きがぐっと広がったが、全般として舞台表現としては成功していたとは思わない。
どの劇団にも魅力的な女優はいるが、今回の公演では脇役の女優、大野愛子のつるんとした丸顔の可愛らしさが印象に残る。
asahi.comにこの公演についての記事がある。
http://www.hh.iij4u.or.jp/~hattori/hokohoko/