http://www.alcine-terran.com/youssou.html
ユッスー・ンドゥール 魂の帰郷(2006) RETURN TO GOREE RETOUR A GOREE
- 上映時間:112分
- 製作国:スイス
- 初公開年月:2009/02/14
- 監督:ピエール=イヴ・ボルジョー
- 製作:ジャン=ルイ・ポルシェ
- 脚本:エマニュエル・ジェタ、ピエール=イヴ・ボルジョー
- 音楽・出演:ユッスー・ンドゥール、モンセフ・ジュヌ
- 映画館:シアターN渋谷
- 評価:☆☆☆★
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
セネガル出身のミュージシャンが、アメリカのゴスペル、ブルース、ジャズの音楽家を訪問し、アメリカ黒人音楽とアフリカ音楽のつながりを探索する旅をする。設定はいかにも面白そうだ。セネガルのミュージシャンとアメリカのミュージシャンとの緊張感に満ちたセッション、音楽を通して知られざるつながりの発見などを期待して見にいった。しかしアメリカ音楽訪問が案外不毛なのだ。アメリカ黒人の祖先はアフリカ人黒人奴隷であることは言うまでもないが、世界の大衆音楽の母胎となったアメリカ黒人音楽の成立はきめわて多様で複雑な要素からなっていて、文化的始原としての「アフリカ」への郷愁は概念的、イデオロギー的なものにすぎないのではないだろうか。ンドゥールの音楽訪問は、アフリカ-アメリカとの繋がりに関するステレオタイプをなぞったものにしか僕には思えなかった。
ンドゥールの音楽自体も僕の好みのものでなかったのも評価が今一つ低い理由である。よかったのはセネガルの首都、ダカールと旅の出発点であり、終着点でもあるゴレ島の情景である。何とも土臭くて穏やかで心地よさげなのだ。セネガルは「テランガ」と呼ばれる歓待精神で知られているが、この映画の画面からそのテランガの暖かさは感じられた。ダカールは治安がかなり悪いと聞いたこともあるけれど、機会があれば一度この国を訪問したいものだ。