演劇集団 円
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- 作:マーティン・マクドナー
- 訳:芦沢みどり
- 演出:森新太郎
- 美術:奥村泰彦
- 照明:佐々木真喜子
- 音響:藤田赤目
- 衣装:緒方規矩子
- 出演:山乃廣美、石住昭彦、吉見一豊、戎哲史
- 劇場:田原町 ステージ円
- 上演時間:2時間
- 評価:☆☆☆☆
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暴力的で猥雑な台詞の応酬で毒をまき散らし、葛藤を荒々しく描く「In-ya-face -theatre」を代表する英国作家のひとり、マーティン・マクドナーの作品。アイルランド西部の田舎町を舞台にした連作の一つ。定型的な新劇的誇張が鼻につく円の役者の芝居は少々胃にもたれる感がある。石住昭彦と吉見一豊の演技のくせはあまり好みではない。が森新太郎の演出は、新劇的な記号的表現により、テクストのディテイルを明確にわかりやすく提示することに成功しているように思う。頭の弱い若者を演じた戎哲史の異様に高いテンションが終始維持された、エキセントリックな芝居がおかしい。
墓堀り人の話。ヨーロッパでは土葬が多いらしいが、土葬の場合、数年に一度墓を掘り起こして古い骨を取り出し、新たに埋葬する場所を作らなければいけないらしい。墓堀り人といえば『ハムレット』がまず思い浮かぶが、この作品では二〇世紀初頭のアイルランドの作家、シングの傑作『西の国のプレイボーイ』のエピソードも下敷きになっていることは明らかだ。もちろんマクドナーの作品のほうがはるかに暴力的で殺伐としている。いかにもマクドナーらしい攻撃性に満ちた黒い喜劇。大いに満足する。