閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

紙風船/葉櫻

shelf Voice, narrative and dialogue 04
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  • 作:岸田國士
  • 演出:矢野靖人
  • 出演:「紙風船:櫻井晋、春日茉衣/「葉櫻」川渕優子、たけうちみづゑ(chon-muop)
  • 照明:則武鶴代
  • 美術:袴田長武+鴉屋
  • 選曲:荒木まや
  • ドラマトゥルク:片山雄一(NEVER LOSE / トライフル)
  • 上演時間:60分
  • 劇場:北池袋 atelier SENTIO
  • 評価:☆☆☆★
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岸田國士の台詞の繊細さをしっかりと伝える舞台だった。女優三名の着物がとてもファッショナブルでオシャレな感じがした。三人とも可愛かったし。男優一人の演技のぎごちなさ、台詞の堅さはわざとなのだろうか。
「紙風船」は新婚一年目、日曜の倦怠の時間をもてあます夫婦の会話劇。「葉櫻」は見合いをしたばかりの19歳の娘とその母親の対話。岸田戯曲の台詞は「リアル」ではあるが、それは一世紀前の東京の中流階級の家庭のリアルである。今の役者が演じるとやはり違和感がある。戯曲のリアリティと役者のリアリティのずれをもっと積極的に生かしたほうが面白かったかも。もしこの戯曲を中野茂樹が「誤意訳」でやればどのように扱うのだろう、と想像した。