閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

告白

映画『告白』公式サイト

評判がよく大ヒットしている作品だが私にとってはあまり好きなタイプの映画ではなかった。松たか子が苦手。あと中学生世代の醜悪で滑稽な自意識のありかたが露悪的に強調されていて、見ているだけで不愉快な気分になる。殺された子供の復讐譚というのも平静には見ていられない。「もし自分の子が…」てことをつい考えてしまうので非常に後味悪い。母子関係の歪みが自己顕示的殺人の動機となるというのにはリアリティを感じない。殺人衝動のエネルギーというのはもっと得体の知れないものであるように私は思うからだ。こんなわかりやすい説明で落としていいのかなという気がした。
展開巧みで退屈はしなかったけど、物語、映像ともあまりに人工的、作り物に感じられた。こういった主題で精巧な娯楽作品を作るというのはかなりの悪趣味であるように思う。こういう映画がヒットするのは何か嫌な感じだ。