飴屋法水
わたしのすがた | フェスティバル/トーキョー10 FESTIVAL/TOKYO トーキョー発、舞台芸術の祭典
- 構成・演出:飴屋法水
- 音楽:Sachiko M、吉田アミ
- 照明デザイン:仲西祐介
- 作品制作スタッフ:小駒豪、小池唯徳、立川貴一、鈴木沙季、池田雅子、佐久間樹、桜木彩佳
- 会場:西巣鴨付近
- 評価:☆☆☆☆★
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twitterでの感想から、何かよくわからないけれど、見る人を畏怖させる不気味なスペクタクルであるという雰囲気は伝わってきた。私が目にした『わたしのすがた』についてのツイートはいずれもネタバレを回避する内容で、それらの断片的な情報からはどのようなものなのか想像はつかない。
18時に予約した。明るいあいだに見た方がいいという感想を目にしていたのだけれど都合がつかなくてこの時間しか空いていなかったのだ。受付場所についたのは予約した時間より20分ほど早かった。今日は人があまりいなかったようだ。そのまま出発することになった。どの会場も人は少なく、行列することはなかった。じっくりと一人で作品に対峙することができた。
私が見た飴屋氏の作品はいずれもF/Tのなかのプログラムだ。『転校生』、『4.48サイコシス』、そして今日立ち会った『わたしのすがた』。
いずれも感動と言うよりは戦慄を感じた。作品は単なる鑑賞対象ではなく、見ている間に作品にこちらの自我が取り込まれ、のっとられてしまうのではないかというような恐怖を感じた。色んな手段によって防御し、誰からも、自分でも手を触れることのできない心の深奥をいきなり掴まれてしまうような感覚を飴屋作品を見ているときに私は味わう。心の中で一番敏感で弱い部分をやさしく愛撫されているような気分にもなる。
今日もそうだった。底の見えない深くて暗い穴にどーんとつきおとされたかのような。作品を通してある種の催眠術にかかったかのようだ。無言の暗示に導かれ暗闇の奥へ奥へと足を踏み入れていく。見ながら徐々に何かに取り憑かれ、何者かに自身が浸食されていく。4つの会場を回った後は、来る前には背負っていなかった重い荷物を背負っているような気分になった。