Carmen 3D: Opera Movie In RealD, Royal Opera House, Video, Bizet
ロイヤルオペラハウス公演舞台映像
- 作曲:Georges Bizet
- 脚本:henri Meilhac, Ludovic Haévy
- 原作:Prosper Mérimée
- 指揮:Constantionos Carydis
- 演出:Francesca Zambello
- 美術:Tanya McCallin
- 照明:Paul Constable
- 振付:Arthur Pita
- 映像監督:Julian Napier
- 出演:Christine Rice (Carmen), Bryan Hymel (Don José), Aris Argiris (Escamillo), Maija Kovalesvska (Micaëla)
- 演奏:ロイヤルオペラハウス管弦楽団、ロイヤルオペラ合唱団
- 映画館:東武練馬 ワーナーマイカル板橋
- 評価:☆☆☆★
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近所にあるシネコンで2010年のロンドンのロイヤル・オペラハウスで行われた《カルメン》公演のライブ上映があったので見にいった。
3D上映だったけれど、3Dってのは私にとってはありがたくない。。値段が高くなるし、3Dの立体効果もすぐに見慣れてしまう。それに3Dメガネを掛けなくてはならないのもうっとうしい。画面が暗くなり、目が疲れてしまうように感じるのだ。このようなライブ映像の3D化は特に勘弁して欲しい。案の定、映像のクリアさ、カメラワークでは、昨日見たMETライブビューイングのほうがはるかに優れていた。
セックスを示唆する大胆な動きの演出が目をひく官能性を強調した演出だった。カルメン役を演じる歌手は迫力のありすぎる遣り手婆風の人が多いように思うが、今回の公演でカルメンを演じたクリスティーン・ライスは遠くからの姿は悪くないのだけど、歌っているときの顔が恐い。ライブ映像だとアップになることもあるので肉付きのよさとか、顔立ちの怖さがはっきり見えすぎてしまうのが逆に欠点になってしまう。ライブ映像で見るよりも安い席で遠方から見ているほうがオペラの場合、案外よかったりすることがあるかもしれない。いくら歌声が素晴らしくてもあの顔立ちのヒロインでは入り込めないのだ。妙な色気だけはむんむん発散していた。
《カルメン》は見せ場が前半に固まっていて、二幕の後半以降はおまけという感じで退屈だ。ドラマとしてはバランスが悪い脚本だと思う。演出上の工夫も二幕最初のエスカミーリョ登場のところでクライマックスになり、その後は冴えない。いくつかのナンバーとカルメンの人物造形は魅力的だけれども、芝居としては今ひとつだなあと改めて思った。ミカエラの出てくる場面は本当に退屈だ。
昨夜見たMETライブビューイング、ジマーマン演出、デセイ主演によるドニゼッティ《ルチア》があまりにもすばらしかったのも悪かった。それと比べるとロイヤルオペラハウスの《カルメン》は、劇作術、パフォーマンス、演出、映像演出などあらゆる面で落ちる。