地人会新社 第一回公演
- 作:アソル・フガード/ジョン・カニ・ウィンストン・ヌッショナ
- 訳:木村光一
- 演出:鵜山仁
- 美術:島次郎
- 照明:沢田祐二
- 衣裳:原まさみ
- 音響:斎藤美佐男
- 出演:嵐芳三郎、川野太郎
- 劇場:赤坂RED/THEATER
- 評価:☆☆☆
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地人会新社の第1回公演だが、出演するはずだった渡辺徹が病気のため降板。客の入りも苦戦している感じで、新社にとっては厳しい門出になってしまった感じだ。前進座の嵐芳三郎が出演し、しかも鵜山仁が演出する芝居ということでチケットを予約したが、期待していたほど面白くなかった。
アパルトヘイトに振り回される南アフリカ黒人の哀切が喜劇仕立ての枠組みのなかで浮かびあがるという趣向の芝居だった。前半は嵐芳三郎の一人芝居が続くが、誇張された芝居臭い演技の演出に入り込めない。渡辺徹の代演の川野太郎はよかった。ああいうスタイルの芝居に慣れているなという感じがした。嵐芳三郎は一人芝居の部分でもかちかちに「芝居」をしてしまっていて、観客に語りかけるスタイルに必要とされるルーズがない。観客席と舞台の間にある第4の壁を、自然な語りによって崩すことができていなかった。こういう芝居には不向きなのかもしれない。
南アフリカの作家の芝居といえば、Can Thembaの「スーツ」をどこかでやってほしい。ピーター・ブルック版をパリで何年か前に見た。ブルックの芝居のなかでは私はこれが圧倒的に好きだ。歌を交えたレビュー風の軽やかなつくりのなかでの日常悲劇である。 http://t.co/Wrthv4k7