http://www.tv-tokyo.co.jp/suzukisensei/
- 上映時間:124分
- 製作国:日本
- 初公開年月 2013/01/12
- 監督:河合勇人
- 原作:武富健治 『鈴木先生』(双葉社刊『漫画アクション』連載)
- 脚本:古沢良太
- 音楽:大友良英
- 出演: 長谷川博己(鈴木先生)、臼田あさ美(鈴木麻美)、土屋太鳳(小川蘇美(2-A)、風間俊介(勝野ユウジ)、田畑智子(桃井先生)、斉木しげる(校長先生)、でんでん(川野先生)、富田靖子(足子先生)、夕輝壽太(続木先生)
- 映画館:角川シネマ新宿
- 評価:☆☆☆☆
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マンガ原作版のクライマックスとなるエピソードをとりあげている。ただし学校演劇作りの過程はかなり削られていて、公園から疎外され、居場所を失った引きこもりの卒業生が逆上して学校に侵入し、ヒロインの女性生徒、小川蘇美を拉致するエピソードを中心に構成されている。
大人社会の欺瞞とグロテスクを中学生教室に凝縮させて、まっすぐ正面から格闘させるマンガ原作版の濃厚さは映画版でも受け継がれている。混乱の中でもがく登場人物たちの中心で輝きを放つスーパー女子中学生、小川の力強さと美しさは映画版でも印象的だった(ただしテレビ、映画版で小川を演じた土屋太鳳のルックスは、漫画原作から私がイメージしたものとはかなりずれる)。
演劇が物語の中で重要な役割を持っていることも嬉しい。『演劇 鈴木先生』も見てみたい気がした。鈴木先生役は、もし『演劇 鈴木先生』が実現するなら、松井周がぴったりはまるような気がする。『映画 鈴木先生』で鈴木先生が語る「人間はあらゆる役割をその日々のなかで演じる」事を説く演劇論に、想田和弘『演劇』の中の平田オリザの姿が浮かんできた。
足子先生役の富田靖子のはまりぶり、怪演に、若干複雑な気分だ。25年前、神戸新開地の映画館で、高校時代、友達3人で貸し切り状態で見た『アイコ十六歳』の残像がまだ残っているためである。