作・演出:ロマン・コロン
出演 :根本江理 鈴木智香子 井上みなみ (以上、青年団) 西村由花 船津健太 横田僚平(以上、無隣館)
照明:西本 彩
衣裳:兼松 光
舞台美術アドバイザー:鈴木健介
舞台監督:海津 忠
音響:小林勇陽(NPO法人プラッツ)
通訳:原 真理子
上演時間:60分
劇場:こまばアゴラ劇場
評価:☆★
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日本語のオノマトペの豊かさにフランス人が興味を持って作ればこんな作品になるだろうなと予想したとおりの作品だった。奇妙な扮装の登場人物(動物、オブジェ)たちがオノマトペとフランス語・日本語・英語を交えた言語でほぼ意味不明の会話を行いながら、城崎温泉の外湯を巡るという話、のようだ。
いかにもフランス人演出家が思いつきそうなアイディアであり、「ね?面白いでしょ?」と言われているように突きつけられる作品ではある。日本人演出家にはこんな芝居は作れないだろう。こういった「知育遊戯」的な作品の面白さが私にはまったくわからない。こうした芝居をわざわざ作る意義もわからない。
喜劇仕立てになっていて、蛸になった鈴木智香子の演技の強引さはそれなりに強烈ではあったが、私には面白いと思える場面はなかった。まったく笑えない。作品の素朴過ぎる意図に乗っかって「笑ってしまう」ことに強い抵抗を感じるタイプの作品だった。「あー、俳優たちはよくやるなあ、きつそうだな」とは見ていて思ったが。
言語を使わない作品ということで、作品の作りからみても、小さな子供も観客に想定していると思うのだが、子供はこの意味不明の音声のやりとりを一時間楽しんで見ることができたのだろうか。