閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

スター・ウォーズ

小学校四年生の時に母親と一緒に見に行った映画.このときのことはなぜかよく覚えている.
僕は団地の前で母親を待っていた.するとその時に家から出てきた同じ棟に住む二年年長の子に
「どこに行くんや?」
と聞かれたのだ.既に『未知との遭遇』は観に行っていて,その映像に大きな衝撃を受けた僕はその時期熱狂的なSF映画のファンだった(『未知との遭遇』を観た後,家で藁半紙に何枚も何枚も巨大なUFOの絵を描いた事を覚えている).
うきうきした声で,
「『スター・ウォーズ』を見に行くねん」
と答えた.二年年長のその子はちょっと意地悪なところがあった.
「ふん,古い映画を観に行くんやな」
と捨てぜりふを残してどこかへ行ってしまった.実際はアメリカでの公開はその半年ほど前,日本ではロードショー公開だったので「古い映画」では全くなかったのだが.
ちょっと興をそがれた感じになった.しばらくすると母親が出てきた.化粧が濃くて,ほっぺたが紅くなっていてカッコ悪かったので
「なんで金時さんみたいなほっぺたしてるんや」
と意地悪なことを言った.母親は化粧を直すためまた家に戻った.
スター・ウォーズ』もまた当時の僕に強烈な印象を与えた映画だった.キャリー・フィッシャー演じる強気のお姫さまが,ルーク役のマーク・ハミルを勇気づけるためにほっぺたに「チュッ」とキスをするシーンを,母親と一緒に観ていることで,気恥ずかしく思ったことを覚えている.全然エロチックなシーンではないのだけど.女の子を意識し始めた年齢の僕には妙に恥ずかしく感じられた.
見終わったあとは興奮状態だった.母親に「ねぇ,面白かった?」と感想を聞いたら,母親が「うーん,まぁまぁ」と曖昧な言い方で答えたのを覚えている.母親にも保留なしで「面白かった」と言って欲しかった僕にはこの返事は不満だった.「そしたらどんな映画が面白いっていうんだよ」と怒りさえ感じた.母親の承認が欲しかったのである.
今回は10月末のテレビ放映のビデオ録画していたものを観賞した.久々の観賞だが,細部までよくお話の展開をよく記憶していることにおどろく.キャリー・フィッシャーの洗練されていないルックスにはちょっと落胆.彼女に関しては小学生のときに始めてみたときにも「ヒロインのお姫さまにしてはちょっとおばさんみたいだなぁ」などと思ったのを思い出した.