閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

「世界」とはいやなものである:東アジア現代史の旅

関川夏央(集英社文庫,2006年)
「世界」とはいやなものである 東アジア現代史の旅 (集英社文庫)
評価:☆☆☆★

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1980年代末から2003年にかけて著者が発表した東アジア(韓国,北朝鮮についての言及が多い)についての論考のアンソロジー.著者がまだ青年の雰囲気を残していた頃の著作『ソウルの練習問題』にある感傷的なトーンは,著者の加齢そして東アジア世界の「大陸的」本質が明らかになるとともに,すっかり消え失せてしまった.隣国に対する著者の態度は否定的であり,その文章は皮肉と落胆のため息に満ちている.