演劇キックプロデュース
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- 原作:ジャック・オッフェンバックJaques Offenbach (1819-80)『地獄のオルフェ』よりOrphee aux enfers
- 脚本・演出:江本純子
- 照明:関口裕二
- 美術:伊藤雅子
- 衣裳:胡桃沢真理
- 音楽監督:小林健樹
- 振付:振付稼業air:man
- 出演:町田マリー、江本純子、田口トモロヲ、小林顕作、澤田育子、羽鳥名美子、柿丸美智恵、金子清文
- 上演時間:2時間45分(休憩15分含む)
- 劇場:歌舞伎町 シアターアプル
- 評価:☆☆☆☆
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「狂騒的」ということばをそのまま具現化したような派手で騒がしく、阿呆で無意味なエネルギーに満ちた舞台で、思いの外楽しんでしまった。
最初のうちは荒っぽくルーズな雰囲気の演出やくどすぎるように思われたベタなギャグの連続にうんざりして幕間休憩で帰ってしまおうかと思ったのだが、次第にその猥雑な世界の中に引き込まれてしまった。カンカンなどの群舞の場面の独特の下品さが漂うにぎやかさと華やかさも充実した見応えがある。
ハート型のニプレスをはって露出した乳房のゆれも、エロばかばかしい魅力に満ちていた。町田マリーだけが、ニプレスを薄手の肌色密着下着の上につけて、本物の乳房を隠そうとしていたのはとても残念。ものすごく見てみたいというわけではないが、他の女優が乳房を露出した身体をはった芝居をしている中で、一人だけ疑似裸体だと見ていて白けた気分になってしまうのだ。
破天荒な雰囲気にもかかわらず、原作の構成は「序曲」も含め、かなり忠実に踏襲しているようだ。ミュージカル・シーンの設定もよく計算されている。その独特のぐだぐだとしたルーズな雰囲気にもかかわらず、正統派ミュージカル、オペレッタとしても評価できる作品になっていたように思う。