有吉佐和子
[asin:B000J97C8K:detail]
評価:☆☆☆☆★
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「一の糸」とは三味線の三本の弦のうち,一番太い糸.文楽の三味線弾きを題材にした長編芸道小説である.
天才三味線弾きの後妻となる茜という,裕福な商家に生まれ天真爛漫に育った女性が叙述の軸となっているが,前半部が茜の三味線引きへの痛切な恋心の芽生えと挫折を描いているのに対し,後半,特に第三部の「音締」では文楽三味線弾きの芸の世界の壮絶さに叙述の中心が移動している.