人形劇団 プーク
http://www.puk.jp/kouen.htm
- 原作:三遊亭円朝
- 脚色:川尻泰司
- 潤色・演出:井上幸子
- 人形美術:若林由美子
- 装置:朝倉摂
- 音楽:マリオネット
- 照明:山内晴雄
- 音響:吉川安志
- 出演:佐藤達雄、柴崎喜彦、市橋亜矢子、滝本妃呂美、安尾芳明、大橋友子、栗原弘昌
- 劇場:新宿 紀伊国屋ホール
- 上演時間:2時間5分(休憩15分)
- 評価:☆☆☆★
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人形劇団プークの大人向きの人形劇公演。
前後半でシンメトリックな構成になっている。前半では新三郎とお露の若い男女の恋の儚さ・脆さが幻想的に描かれ、休憩を挟んで後半には、伴蔵とその妻おみねという中年の夫婦の姿を通して欲にとらわれた人間のあさましさがコミカルに描かれる。
ほぼ等身大の大きさの大型の人形が使われていた。役者は黒装束で後ろから人形を操作する。細やかな人形の動きが印象的だった。人形の造型はもこもことした布で作られているユーモラスなもの。一部の登場人物の鼻がひんまがっている。豪華パンフレット付き。おまけでもらえるクリアーケースの猫の切り絵のデザインがとてもしゃれている。
劇団80周年記念公演の意気込みは伝わってくる舞台だった。人形の動きは繊細だし、台詞のやりとりも工夫があるし、美術も洗練されている。哀愁に満ちたマリオネットの音楽もいい。でもどこか各パーツがちぐはぐ、ばらばらとした感じで、物語に引き込まれるような求心力が乏しい。それぞれの要素がうまく統合されていないような印象を持った。何となくバランスが悪い。
前半部は展開がたるく感じられて、照明も終止暗めだったために、何回か落ちそうになった。視覚的には、大型の人形、かっこいい舞台装置にも関わらず、舞台ががらんとした感じで物寂しい。
悪くない、けれど物足りない。なんでかな。脚本があまり好みじゃなかったのかも。ことばはきれいだし、言い方も工夫されていたけれど、台詞のやりとりに「のり」が乏しかったような気がした。