閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

第三十三回 新文芸座落語会 演芸アラカルト

古今亭菊志ん「金明竹
神田山陽「ねずみ小僧」
松元ヒロ「談志の思い出」
国本武春「殿中刃傷」

新文芸座の落語会、今月は落語、講談、パントマイム(?)、浪曲の四種類の話芸のアラカルト。古今亭菊志ん「金明竹」、他の三人に比べると印象薄い。神田、松元、国本の三人が凄すぎた。息をするのも忘れてしまいそうな、ちょっとあり得ないような濃厚な二時間だった。神田山陽、松元ヒロ、国本武春の芸の迫力に圧倒される。笑った、痺れた、そして泣いた。終わったあとは実に気分爽快だった。
神田山陽の講談を聞いたのは今回はじめてだった。あの語りの疾走感、たまらない。のりのよさに一気に引き込まれ、そのまま、ノンストップで最後までのっかってしまう。また聞きに行きたい。松元ヒロの漫談は談志のエピソードで構成された30分。パントマイムをやらないパントマイム演者である松元ヒロが怒濤の語りの最後をパントマイムで締め括る。談志の愛したチャップリンの物真似だった。自分を認めてくれた偉大な恩人に対する深い感謝と哀悼の思いが伝わってきた。談志に対する感動的なオマージュにジーンとくる。談志についてほとんど知らない私も思わず涙が出そうになる。
国本武春は観客参加の要素を巧みに導入することで、浪曲上演の場の空気を強引に作り出す。忠臣蔵の発端の部分を前半はロックンロール、後半はバラードで。名調子、日本一! かっこよすぎるよ。