閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

ロミオとジュリエット

DVDでの観賞.映画的リアリズムと演劇的ファンタジーがうまくかみ合った傑作.石造りのイタリアの古都市を背景に,荒唐無稽なこの恋愛悲劇はごく自然な形で再現されていた.両家の血気盛んな若い郎党どもの対立の過程なども丁寧に表現されていた.
前半の恋の誕生からそれが急速に成長していく過程の甘美な幸福感の表現と後半のちょっとした行き違いの重なりが原因で悲劇的結末へと転落していく描写のコントラストの対比が見事だった.特に性急で幼い恋愛感情の表現は,その官能的・感覚的喜びととともに丁寧に演出されていて,観客の側も幸せな高揚感につつまれる.若い二人の稚拙な精神ゆえの悲劇であることもちゃんと示されている.
まだあどけないオリヴィア・ハッセーのジュリエットは極めて魅力的.
ニーノ・ロータの甘美なメロディも興趣をおおいに盛り上げる.