- 劇団:ク・ナウカ シアターカンパニー
- 作:ソポクレス
- 訳:柳沼重剛
- 構成・演出:宮城聰
- 作曲・演奏構成:矢野誠
- 照明:大迫浩二
- 衣裳:高橋佳代(アトリエチワワ)
- 出演:美加理、阿部一徳、吉植荘一郎、中野真希、大高浩一
- 場所:東京国立博物館 本館前野外特設舞台(2004年10月に上演した舞台の録画)
- 評価:☆☆☆☆
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NHKの芸術劇場で放映された上演の録画で見る。
象徴性に富んだ美しい舞台だった。中央に配置されたごつい傘の骨を逆さにしたようなオブジェ(中盤以降はアンティゴネが収容される「洞穴」となる)を中心に左右シンメトリックに配置された人物、アンティゴネの衣装の黒から白への転換、声明を思わせるせりふの音楽的朗誦法、アンティゴネとその恋人ハイモン以外を集団で演じさせることにより提示した劇解釈と群読的効果等々。
現代演劇における様式美のあり方のひとつの成功例。劇中にある複数の二項対立が水の波紋のように重なりあうイメージを視覚的に舞台上で表現することに成功しているように思った。
打楽器をフィーチャーした音楽も面白い。上演舞台を見ておきたかった。ク・ナウカはいかにも頭でっかちの芝居をやるところという先入見があってこれまで敬遠していたのだ。