閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

世間のウソ

日垣隆新潮新書,2005年)
ISBN:4106100991
評価:☆☆☆☆

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客観的・常識的な判断材料を明示することで,違った角度からモノごとを考察するということがどういうことかを教えてくれる.いくつかのてんで,我々というか,自分がいかにマスコミなどが流す情報や価値判断にナイーブに影響されているかを気づかせてくれた.
安全性の神話や中国の人身売買報道,ミラーマン事件にマスコミが与えていたバイアスに対しての自分の判断停止への無自覚を恥じる.
昨夕の東京新聞に掲載された日垣氏による『早稲田文学』廃刊にまつわる大学の欺瞞の指摘も実にまっとうなものだった.くず教員一人の給料で維持できる伝統あるメディアを,採算がとれないという理由で簡単に廃刊にしてしまう大学がどうして文化発信できようか,文化を「構想」できようか?!