ありふれたスナックかラウンジのような室内で行われた見知らぬ男女4組の乱交パーティの一夜の再現.ハイパーリアリズムの絵画を連想させるような緻密な写実主義で,乱交パーティの様子が演出されている.観客はいわばエロチックなイベントを覗いているような感じになる.最初はおずおずとさぐるような4組の男女も,二回目の性交をおえ,互いに体を開いた仲になっていくと,とたん露骨で下品ななれ合いが始まる.そして夜明けとともに,その関係はもとの白々としたものに戻っていく.
登場人物のありふれた性の情けなさだけでなく,観客自身のスケベ根性も見事にあらわになってしまうしかけ.
単に一晩の乱交パーティを再現しただけなのだが,4組男女の関係性に変化を与える仕掛けの投入のタイミングがうまく,二時間強の時間,飽きさせない.
150人ほどの劇場だが,通路まで超満員だった.