ケン・グリムウッド/布施由紀子訳(角川文庫,1998年)
評価:☆☆★
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同じ作者の反復する人生を描いた傑作『リプレイ』は堪能したが,イルカと人間の超心理的コンタクトをテーマとするこのSFにはついていけない.そもそもイルカとか鯨を特権的に擬人化して捕らえるエコロジスト的視点には全く共感できない.実際にイルカ/鯨と交流を楽しんでいる人なら,このファンタジーも楽しめるのだろうが,僕にはこうした一動物への偏愛的視点とこうした視点が正当化する思想を受け付けることができない.
物語としても,ストーリーテリングは巧みではあるものの,子供向きのテレビ番組のような素朴さに失望.イルカ信者向けの小説.