閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

1123780898**[演劇][歌舞伎]伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)

伊勢の遊郭での名刀の行方をめぐっての騒動。実際におこった殺人事件に基づくお話。意地悪仲居万野を演じた勘三郎と貢を演じる三津五郎のやりとりの妙が一番の見せ場か。哀れな醜女女郎お鹿と貢のコミカルなやりとりも面白い。こうした貢を中心に据えた会話の応酬を楽しむ芝居だが、リズムが途中単調に感じられることもあった。終幕近くになってとにかく意味もなく何人もの人が切られてしまう展開に唖然とする。この意味のない殺人はいったいなんだぁ? どすんといきなり崖から突き落とされるような感覚である。そして最後の大円団。一応ハッピイエンドなんだけど、こちらの気分はいかにも中途半端ですっきりしない。