- 原作:馬場のぼる
- 脚本・演出:遠藤えいぞう
- 作曲:樹原涼子
- 照明:白土真平
- 衣裳:えみこ
- 出演:纓田徳二、石原和枝、小林美枝、遠藤栄蔵他
- 場所:大山 板橋区立文化会館小ホール
- 評価:☆☆☆
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絵本の古典となっていると言ってもよいくらい長年にわたって支持されている馬場のぼるの『11ぴきのねこ』を原作とする子供向けのミュージカル。板橋区の文化事業の一環として催された公演。キャストの一部は一般公募による素人だとのこと。
上演時間は1時間ほど。300人ほどの小ホールは親子連れで満員。今日の昼・夜の二公演のみなのだが、ちけっとはかなり前に売り切れの人気公演なのである。
4歳の娘を連れて行く。作品そのものよりも、娘との初観劇という事態に心浮き立つ。果たして楽しんでくれるだろうか。
単純で覚えやすいテーマ曲が楽しい。劇場後ろ入り口から一斉に猫たちが舞台にかけ上がるオープニングも効果的だった。子供を対象とする芝居ってのは、飽きやすい子供の注意を喚起する仕掛けを常に必要とされる難しさがあると思う。飽きやすい反面、子供ってのは時に大人よりずっと我慢強かったりもするのだけど。とにかく観客である子供がつまらなそうな顔して、集中力を失っていく様子を目の当たりにするのは、舞台で演じる役者にとっては、大人の演劇での無反応以上にたまらないものがあるのではないだろうか。
子供うけについては大人相手以上に一定のパターンがあるのかもしれないけれど。
ミュージカル『11ぴきのねこ』については、原作の絵本版のリズムより、お話の進行が停滞ぎみで、中盤以降、僕はちょっとくどさと冗長さを感じてしまった。娘ははじめての観劇体験ということもありそれなりに楽しんでいたようではあるが、目をらんらんと輝かせて「熱狂」というかんじではなかった。
終演後、出演した「猫」たちが出口で観客を迎える。娘に「握手してきなよ」と言ったのだけど、なぜだか照れ照れの状態で「いいよいいよ」と言って娘は逃げてしまった。