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- 監督:生野慈朗
- 脚本:安倍照雄,清水友佳子
- 原作:東野圭吾
- 出演:山田孝之 玉山鉄二 沢尻エリカ 吹石一恵 尾上寛之 吹越満 風間杜夫 杉浦直樹
- 時間:131分
- 劇場:豊島園 ユナイテッド・シネマとしまえん
- 評価:☆☆
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わざわざ仕事のあとレイトショーで観に行ったことに自己嫌悪を覚える.
ベタな泣かせ映画は実はそれほど嫌いでないような気がする.実際,映画や芝居を見てよく泣く. 日常が殺伐としているだけにたまにそういう「泣かせ」を無性に見たくなるときがあるのだ.
『手紙』は普段読んでいるいくつかのブログなどでえらく評判がいいし,雑誌や新聞などでたまたま見つけた評も悪くない.「気持ちよく泣かせてもらおうじゃないか」とのこのこ小雨の降る夜に映画館に向かったのだけど.
まぁ何というかあまりにも陳腐でありきたりなストーリーと演出にうんざり.「手紙」というタイトルにもなっている小道具を軸に物語を組み立てているために,展開に強引さをかんじるところがあった.一番許し難かったのは,沢尻エリカが恋に落ちる展開があまりに説明不足だったことだけど.いくら山田孝之が格好いいといっても,あんな可愛らしい女の子があんな愛情をもって接近してくるなんて,ああ不愉快.何のリアリティも感じない.
だいたい頼まれてもいない手紙を会ったこともない人宛に代筆するなんてことありえるかよぉ,と思わずつっこみを入れてしまう.世間から身を隠してひっそりと生きたいはずの人間が漫才師を目指すってのもかなり苦しいような.もっと地味で地道な仕事を目指すのではないのかなぁ,ふつうは.アパートへのペンキの落書きはちょっと失笑してしまいました.いやぁあそこまではいくらなんでもせんよ.演出過剰,やり過ぎです,あれは.
やっと浮上しかけたと思ったら,また「犯罪者の親族」ってことで沈まされる,っていうパターンはもっとしつこくやってほしかった,個人的には.沢尻エリカと結婚なんて,いやぁ許し難い,犯罪者の親族のくせに.
しかし沢尻エリカの信じがたい美しさは愛でることのできる作品である.テレビドラマで今では人気者になっているようだが,僕が沢尻エリカを見るのは『パッチギ!』以来である.恐るべき吸引力を持つ愛らしさ,特に最初の純朴な雰囲気のめがね娘スタイルの愛くるしさはショック死する人間が出るレベルである.あんな麗しい生き物は今の僕の生きている環境には存在しない.
少なくとも僕にとっては,沢尻エリカを鑑賞するためだけの映画だった.うーん,まいったなぁ.僕にはエリカの姿以外,よさがわからない映画だった.