腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

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• 上映時間 112分
• 初公開年月 2007/07/07
• 監督： 吉田大八
• 原作： 本谷有希子 『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』（講談社刊）
• 脚本： 吉田大八
• 美術： 原田恭明
• 音楽： 鈴木惣一朗

• 出演： 佐藤江梨子,佐津川愛美,永作博美,永瀬正敏,山本浩司
• 劇場：　　渋谷　シネマライズ
• 評価：　　☆☆☆☆★

僕の好みの話だった．
自意識の欠如と極端にいびつな形で肥大した自己顕示欲がもたらすグロテスクな滑稽さを描き出す脚本は秀逸である．
両親の突然の死で故郷に戻ってきた女優志望の娘の横暴が，家族関係の欺瞞にゆすぶりをかけ，家族関係の醜悪な現実が明らかになってくる．
役者陣はみな好演ではまり役．閉鎖的環境で個人の持っている異常性が極端に強調されてしまったような登場人物の中では，兄の妻役の永作博美の役柄が実は一番怖いかもしれない．永作，この奇形的人物を怪演だった．