伏見稲荷の段/道行初音旅/川連法眼館の段
時開演
- 劇場:国立劇場 小劇場
- 上演時間:二時間五十分(休憩35分)
- 満足度:☆☆☆★
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狐忠信のエピソードである伏見稲荷、道行初音旅、河連法眼館の場面で構成された舞台。
文楽でこの演目を見るのはこれが初めてである。休憩35分込で2時間50分の長さとコンパクトにまとまっていたが、30分弱の鳥居前はともかく、道行と河連法眼館は長く感じた。道行のオープニングの三味線はかっこよかったのだけれど、後半は何回か意識を失う。川連法眼館は狐忠信の長広舌に沈没する。白狐の人形は可愛らしいし、衣裳早替りも面白かったのだけど。
文楽人形の動きの面白さがまだ僕には全然わかっていない。義太夫節も眠気を誘因だけれども。
歌舞伎の演出とどう違うのかに興味があった。特に歌舞伎では様々なけれんが用いられる四の切の部分が人形浄瑠璃版ではどうなっているのかに関心があった。
全般に人形浄瑠璃のほうが地味、というか歌舞伎のほうが派手派手な工夫が導入され、はるかに娯楽性に富んだ作品になっている。コミカルな動きや表情などで作る狐の可愛らしさが人形には乏しい。
沢瀉屋では宙乗りで退場となる最後の部分はどうするのかなと思って見ていたら、人形版も宙乗りだった。これは予想外だったのでちょっと驚いた。ワイヤーに吊られた人形遣いと一緒に宙に舞うのだ。セリの上の屋敷のセットが下に降りていき狐が空高く登っていく様が表現される。最後の最後は書割りの美術がぱっと裏返って櫻一面の舞台絵となる。
このラストの仕掛けの鮮やかさに目が覚める。これがあったので、ああ見に来てやっぱりよかったなと思った。