http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000037_play.html
- 作:木下順二
- 演出:鵜山仁
- 美術:加藤ちか
- 照明:服部基
- 音響:上田好夫
- 衣装:前田文子
- 出演:吉田栄作、紺野美紗子、グレッグ・デール、ジュリードレフュス、石田圭祐、松田洋治、清水明彦、原千晶、永島敏行
- 劇場:初台 新国立劇場
- 上演時間:3時間40分(休憩15分、5分含む)
- 評価:☆☆☆★
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上演時間が休憩20分を含み3時間40分の長い作品だった。
緻密にダイアローグを積み重ねることで、ゾルゲの相棒であった日本人、「オットー」を中心に、戦争へと向かう当時の日本の世相を描き出す。戯曲は数年前に読んだことある.モデルとなった人物は実在したが、写実的な史劇というよりは、寓意的な社会劇といった趣があるように思った.
覚悟はしていたけれど、長時間のきまじめな舞台,やっぱり疲れた.
主演の吉田栄作は熱演だったし、松田洋治もしっかり個性を発揮し存在感を示していたけれど、演出が単調でドラマに乏しい。外人役は英語あるいは部分的にドイツ語を話していたのだけれど、木下順二原作では全部日本語だったように思う。雰囲気をつけくわえるぐらいの意味しかない中途半端な写実主義であるように僕には感じられた.むしろ日本語でやったほうがよりリアリティが出たのではないか.
役者も日本人キャストでやったほうがよかったのでは。とにかく主題の重厚さや深刻さにくらべ、演技があまりにも軽いように思った。グレッグ・デールのゾルゲ、うーん,僕のイメージとはかなりずれるなぁ。
中劇場の広い舞台空間はすかすかの感じ。回り舞台に置かれた調度品や舞台美術は、散らばったガラクタのようだった。1000人以上のキャパシティがある中劇場でやるには、しんどい芝居だと思う.紀伊国屋ホールぐらいの大きさがちょうどよいように思える.
どちらかというと舞台よりもNHKのテレビドラマでこの戯曲は見てみたい.