閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録

http://www.theatrical-kara.jp/cast.html

  • 上映時間:102分
  • 初公開年月:2007/12/01
  • 監督:大島新
  • 製作:柏井信二
  • プロデューサー:於保佐由紀
  • 構成:大島新
  • 脚本:大島新
  • 撮影:桜田仁
  • 出演:唐十郎
  • 映画館:東中野 ポレポレ東中野
  • 評価:☆☆☆★

67歳の唐十郎の笑顔はとても可愛い、そしてとても怖い。
演劇人を追うドキュメンタリーということもあって、必然的に演技と素の境界があいまいになる。プロの演じ手であるならば、自分が「撮られている」ことへの自意識は決して抹消できないだろう。多かれ少なかれカメラの前では人は何かを演じてしまうものだと思うが、その対象が演劇人ならなおさらである。
素と演技の交錯に幻惑されながら、その韜晦の向こう側に真実を感じ取るしかない。

晩秋の新作台本の完成から、その翌年の春公演までの唐組の半年間を追う。物語を作る才能を持った人はやはり偉大だ。唐は劇団の王様のごとく君臨する。劇団員は彼の気まぐれに振り回され、彼の顔色を伺う。

最後の最後にこのドキュメンタリーは演劇的に再現されたセルフ・パロディであることが唐の口から明らかにされる。
唐の長女の名前は「ミニオン」であることを知る。漢字は「美仁音」だったと思う。凄いなぁ、唐はやっぱり!