閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

婦系図

新派公演
http://www.shochiku.co.jp/shinpa/pfmc/080606/index.html

  • 作:泉鏡花
  • 演出:大場正昭
  • 補綴:齋藤雅文
  • 美術:織田音也、中嶋正留
  • 出演:波乃久里子、水谷八重子、紅貴代、安井昌二、片岡仁左衛門
  • 上演時間:4時間20分(休憩50分)
  • 劇場:東銀座 新橋演舞場
  • 評価:☆☆☆☆
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はじめて見る新派劇.
印象は女優が出る新歌舞伎といった感じ。演出の雰囲気やゆったりとした展開のテンポも歌舞伎とほぼ同じように思えた。存亡の危機を支えている,という先入観があるからかもしれないけれど,波乃久里子をはじめ新派の看板女優たちの演技は,歌舞伎の女形にはあまり感じられない,緊張感というか気迫のようなものを感じた.仁左衛門の演技もその気合いを正面からしっかり受け止めているかのような充実感が感じられてとてもいい.

上演時間4時間20分(休憩50分)。展開がほとんどすすまず、だらだらとした間延びした場が続く場面も多いのだけれど、それも含めて、役者の見せ場、クライマックスがしっかりと提示されているように思えた。だらーっと退屈したところもあったけれど、全般的には思ったよりもずっと楽しめた。
泉鏡花による究極の純愛メロドラマ。深い恋愛感情を抱えつつも,それをぐっと抑えて義理人情からくる配慮を互いにしている様子がしっかりと描かれている.
なんといっても仁左衛門が終始むちゃくちゃかっこよく、魅せる。
仁左衛門ファンなら大満足できる芝居ではないだろうか。